親子関係がよくなるコミュニケーションの5Stepの進め方
コミュニケーションには5段階あるといわれています。
「話す」「聴く」「共にいる」「分かち合う」「創造する」です。
あなたは、お子さんとどういう順番で関わっているでしょうか?
他の人との人間関係とは異なり、お子さんとは、お子さんが生まれてからずっと一緒にいるので、どんな順で、どのように関係を築かれたという意識は、あまりないかもしれません。
話す
聴く
共にいる
分かち合う
創造する
私が考える第1段階は、「共にいる」です。
第2の段階が「聴く」、第3の段階が「話す」、第4の段階が「分かち合う」、第5の段階が「創造する」です。
保護者の方に質問すると、第一段階に「話す」「聴く」をあげる方も結構いらっしゃいますが、まず「共にいる」ことがなければ、コミュニケーションは成り立ちません。
これは必ずしも同じ空間にいるということではありません。
向かい合って座っていても別のことを考えていて上の空だったり、携帯電話をいじっていては、「共にいる」とは言えません。
ちなみに私は健康維持のため、週に何回かウォーキングをしています。
最初は1人だったのですが、最近は妻が一緒に歩いてくれるようになりました。
2人で夜空を見上げたり、「あそこのお店なくなったんだね」「この居酒屋のメニュー、おいしそうだね」と1時間ほどの間、たわいのない会話をします。
そして気がつくと、仕事での悩みを話していたりします。
そこには普段家では味わえない感覚、「共にいる」という安心感があることに先日気づきました。
「共にいる」と一緒にいる「安心感」があります。
顔を合わせると説教されたり、小言を言われる。
駄目なところを指摘されるという関係では、いかがでしょうか?
お子さんが親御さんと一緒にいて安心できないと感じると、寄ってはこないでしょう。
安心できていない状態で無理に話そうとすると、逆効果になってしまうこともあります。
どんないいアドバイスも「共にいる」という状態を作れていないと、お子さんにとっては「分かってくれていない」「押しつけられた」と逆効果になってしまいます。
悩みとは親が解決するのではなく、いっしょに分かち合うもの。
目標とは押しつけられるものではなく、いっしょに考えていくものです。
思春期はもともと親を疎ましく思う時期のため、よい親子関係でいるのはなかなか難しいものです。
まずは、安心できる時間を作ってみることから始めましょう。
そのためのヒントを一つお伝えします。
コーチングコミュニケーションー距離感や位置を意識する
あなたはお子さんと話をするとき、どのような位置で座っていますか?
もし正面に座っていて、それが当たり前だと思っているとしたら、ひょっとしたら、あなたはお子さんと共にはいないかもしれません。
人には恋人、友人、兄弟、父親、母親など、人間関係によって、ちょうどいい距離感があります。
ちょうどよいと感じる距離感は、人によって違います。
まずは、あなた自身が心地よいと感じる、人との物理的な距離感を考えてみてください。
いかがですか?
近い距離が好きですか?
それとも案外遠い方が好きでしょうか?
お子さんは、その距離をどのように感じているでしょうか?
あなたとお子さんが会話をしているとき、お子さんはあなたの方に近寄ってきますか?
それとも、離れていくように感じるでしょうか?
今度、お子さんと会話するときに観察してみるのもよいですね。
また、人と一緒に座るときの位置についても、人によって好みが異なります。
私たちは、日常生活で当たり前のように正面の位置に座ります。
誰かと一緒にご飯を食べるとき、会社で誰かと面会するときなど。
ただ正面は「対立の位置」とも言われています。
学校でも、先生との面談は正面に座って行われます。
正面は何か指導される位置なのです。
そのため、人は正面に座った瞬間、「また何か言われるのではないか」と不安になり、無意識に防御態勢をとるのです。
カウンセリングなどでは、視線を少し逃がすことができるハの字の位置が安心できると言われています。
ただ中には、正面が好きな方もいます。
好みは、相手や時、場合などによっても変わります。
好きな位置、距離は人によって違うので、いろいろ試してみるのもよいでしょう。
大切なのは、相手を尊重していることを態度で示すことです。
思春期は、特に親との距離感が気になる年頃です。
子どもだからと距離が近すぎる親御さんも多いようです。
小学生だった頃とは違うので、あなたが当たり前に思っている距離感ではなく、お子さんにとっていい距離感を探していきましょう。
「自分のことを尊重してくれている」とお子さんが感じてくれれば、コミュニケーションの準備が整います。
その他、目線の高さについても工夫できます。
小さな子どもと話すとき、腰をかがめて相手の目線で話すのと同じです。
同じ目線で話すことが安心感につながります。
2人で並んで、ただ海や山、空を眺めるのは安心できる時間です。
一緒に犬の散歩をするのもいいかもしれません。
美味しいお寿司を食べていると、自然に笑顔になります。
あなたの身近に「共にいる」時間は案外あると思います。
そこには、タスク(しなければならないこと)を入れないようにしてください。
するべきことを意識しなくてもよいからこそ、安心できるのです。
「子どもが話してくれない」というお悩みをお持ちだとしたら、それは、あなたといるときに心から安心できていないという心の声である可能性があります。
真正面に向き合うだけではなく、もっとさまざまな場面を作ってみるのもいいかもしれませんよ。
コーチングとティーチングの違いと使い分け方
今までコーチとしてお子さんと関わるときの距離感や位置、目線などのポイントについてお伝えしてきました。
「コーチング」と似た言葉に「ティーチング」がありますが、「コーチング」と「ティーチング」では、考え方やコミュニケーションの仕方に違いがあります。
お子さんと関わりサポートする上で、ティーチングモードからコーチングモードへいかに切り替えるかが大事です。
「コーチング」と「ティーチング」の違いについて確認しましょう。
「コーチング」と「ティーチング」には、様々な点で違いがあります。
続きは以下のページでお読みいただけます。
「コーチングとティーチングの違い―親子のコミュニケーションをチェック」
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